中国革命を駆け抜けたアウトローたち―土匪と流〓の世界 (中公新書)
|
|
ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
|
人気ランキング: | 136092 位
|
発送可能時期: | 下記ボタンを押して納期をご確認下さい。
|
参考価格: | ¥ 840 (消費税込)
|
ご購入前のご注意
当ホームページはアマゾンウェブサービスにより運営しています。
商品販売はすべてアマゾンの取り扱いです。最新価格、製品情報はボタンを押してご確認下さい。
|
|
一味違った中国革命史の切り口
中国革命と言えば、毛潤之ら若き革命家たちにより、軍閥や郷紳の搾取と圧政に苦しむ広範な貧農層が政治的に覚醒し、燎原の火の如く中国大地を席捲した、というのが「正統」な見方でしょうか。しかしながら、実態はさほどウルワシイものではなかったようです。
農村における共産党の政治工作が難渋を極めた原因は、反革命勢力による妨害・抑圧ばかりではなく、保守的で迷信的な中国農村の体質そのものの中にもあり、頑迷固陋な貧農層のハートを掴むため、共産党の工作者たちは、宗教結社、ヤクザや山賊、さらには政府軍の脱走兵など、実にアヤシゲな人々をすすんで傘下に収め、時には彼らと義兄弟の杯を交わすことまでしています。そして民間における彼らのネットワークと社会的動員力は、革命の帰趨に大きな影響を及ぼしたのでした。
本書は、中国革命期におけるこうしたアウトローたちの活躍振りをコンパクトに概説するものです。彼らが跳梁跋扈するに至った背景としての民国社会の現実と彼らの実態、革命におけるアウトローたちの役割・功罪、そして彼らの興亡についての社会学的な考察など、従来の革命史とは一味違った切り口から、革命の背景と現実を説き明かそうとしています。
本書で語られているのは革命期のことのみですが、統治システムの脆弱性と民間自律のしたたかさ、そしてその中における結社や無頼の機能といった点については、中国社会の通時代的な特質と言っても差し支えない面があるように思います。そうした意味で、本書は、中国革命の現実を知ると共に、中国社会そのものの一面を考察するものと言えましょう。中国史ファンの方には、是非おススメしたい一冊です。
現代中国のルーツ
土匪が横行し、治安が崩壊し尽くした社会というのは、現代日本人にはなかなか想像しにくいが、そのような中国で、日本は交渉し戦ったこと、現在の北京政府である中国共産党が土匪社会の中からでてきたものであること、を如実に描写している名著だと思う。共産党の内部粛正のため、軍幹部でさえ文字が読めない人間がほとんどになった、という記述には深く考えさせられた。
中国近現代社会史の傑作
匪賊や馬賊、共産党が大暴れする辛亥革命後の中国。その社会の一見したむちゃくちゃさと、魅力をあますところなく伝えた傑作だといえる。西洋史で一時期流行した用語で言えば、政治イデオロギーよりも「ソシアビリテ」を中心に激動の中国社会を描いて、その特質をよく明らかにしていると思われる。中国史といえば日本の一般の読者のあいだでは三国時代ばかりが注目されがちだが、このような人間くさい近現代史もまた魅力的である。個人的には、匪賊の頭目と共産党幹部が(まるで三国志や水滸伝のように?)義兄弟の杯を交わすという記述に驚いた。中国の政治文化は奥深い…。
マルクス レーニン主義はお題目
こういう点を抜きにして 中国を論じるバカが多いのは 困り者。
中央公論社
中華民国―賢人支配の善政主義 (中公新書) 馬賊で見る「満洲」―張作霖のあゆんだ道 毛沢東の私生活〈下〉 (文春文庫) 毛沢東の私生活〈上〉 (文春文庫) 「中国問題」の内幕 (ちくま新書)
|
|
|
|
|