著者といえば、「百ます計算」のイメージが強いが、もともとは、学力の根本は生命力にあると考え、学力向上は、家庭での生活習慣が大きく影響することを言い続けてきた。同書は、家庭教育に重点を置いて執筆した、若い母親向けの女性誌「マフィン」での連載をまとめたものだ。 学力が上がる16か条、会話力がつく13か条、自分でできる力を育てる12か条の合計41か条からなり、どれもが今すぐ家庭で実践できそうなことばかり。「翌日の時間割は自分でそろえさせる」「食事のときはテレビを消す」「机の上を親が片づけない」など、かつてはどこの家庭でもあたりまえの「しつけ」だったような項目が多い。一方で、「習い事が多くても週3日を限度に」「出張先から子供に電話をかける」「運動会で我が子をビデオで追いかけ回さない」など、いまどきの家庭ならではへのアドバイスも。 印象に残ったのが、「親子で週1回は図書館へ行く」「『子供が一人でいる時間』をつくる」などの項目。子どものファッションや「見た目の学力」など、表面に出やすいところでは過干渉になるかと思えば、子どもの内面など大切なところには放任になりがちな親に警鐘を鳴らしているように感じる。 「我が子と存分に向き合える時間は意外に短く、しかも後から振り返れば家族の黄金期なのです」と著者が言うように、子どもはあっという間に親から離れていく。今、わが子と向き合う大切さを再確認できる1冊だ。(町場キリコ)
大変参考になりました。
題名の通り、親がすぐに実行できることが要領よくまとまっており大変参考になりました。最近すこしずつ、三歳児ですが朝ごはんを具沢山の味噌汁にしてみたり陰山メソッドを実行しつつあるので(もともと食べさせていたのですが、パンのときもあったり、おにぎりのときもあったのです・・・。)よさそうなところは参考にして実行しようと思います。安部首相に変わり教育変革もおこりそうですよね。すべての教育に通じるというか生きる基本である子供の体を健康に保つことと、親も教育に興味をもち家族で教育していこうという姿勢がとても好きです。この本にはその方法が書かれていました。
学力は親の愛情のエネルギーで成り立つ
百ます計算で有名な陰山英男先生だが、「学力とは気力と体力、さらにはコミュニケーション能力も含めた一体の力」と書いているように、本書では勉強のみならず、子どもたちの総合的な能力を伸ばす大切さを説いている。 「学力とは愛情そのもののエネルギーから成り立っている」とあるように、本書の根底にあるのは子供たちへの愛情である。陰山先生は、お子さんたちの幼い頃の写真を見て、この瞬間は二度と帰ってこないのだと思わず泣いてしまうような方と知り、このような愛情が教育に形を変えているのかと、あらためて納得した。 「可能な限り子どものために時間をつかおう。」「苦楽をともにしよう。」「壁にぶつかっても手をかさない。」などなど、家庭教育の指針が明確にされ、育児の壁にぶつかったときは、また読み返したい。 理想はわかっていても働く母親としては実現が難しい部分もあり、これでいいのかと自分の生き方についても真剣に考えさせられた本でもある。
ちょっと安心した部分も。
小学生となるとまわりはやれ塾だ、習い事だと忙しい子が多く、 なんか変な違和感を感じていました。この本をたまたま読んで「家庭での学力があがる16条」の中の ことをほとんど無意識に行っていたのでなんだか少し安心しました。 子どもの個性を伸ばしてやるのも親の務めですが、子どもの才能を 殺しているのも親ではないか?と思うこともあります。 しつけと学力の向上、さらには人間的な社会性をのばしてやれるには 何気ない日々の積み重ねしかないんだな、と思いました。
子どもと過ごす時間の大切さを感じる
仕事を持つ母親としての感想です。 まず、この本を読んで影山先生の子どもを愛し、子どもの目線になって真剣に考える姿勢に感銘しました。100ます計算というイメージで学力重視かと思ったら内容はそこにとどまっていません。子供の知力、体力、気力にわたる内容になっています。文章は決して説教になっておらず、優しさにあふれています。 子供との時間が短い私は、優しく諭されました。家族が子どもの話を聞く時間が持てているか、母親同士の交流は取れているか、感動するような経験を一緒にしているか、部屋は片付けられているか、自分のことは自分でできるようにしているか・・・など。愛情あふれる親との時間が子供の生命力を育てる、子どもは10歳を過ぎれば自然に親から離れていくのだから今を大切に、と語られています。その大切さがこの本を読んで実感できるからこそ、思うように子供と時間が作れない自分に涙してしまいました。せめてその悔しさを、時間を作り子供との時間を大切にする原動力にしていきたいです。
大切なのは親の姿勢
大切と思われることが簡潔に読みやすい文章で書かれています。いろいろと書かれていますが、結局の所、親自身の学ぶ姿勢が大切だと思いました。 子供に本や新聞を読めといっても親がやっていなければ、子は読もうとしない。辞書を引けと言っても親が引かなければ子はやらない。テレビを見ないで勉強しなさいと言っても、親がテレビを見てれば子もテレビを見る。 要するに、子供は親の背中を見て育つということ。子供を育てる前に、自分自身を鍛え上げなければなりません。残された時間は非常に少ないです。
小学館
本当の学力をつける本―学校でできること 家庭でできること 入学準備 陰山メソッド 小学校でつまずかない「もじ」と「かず」家庭ワーク 学力低下を克服する本 ― 小学生でできること 中学生でできること 欠点を長所にすると学力はグーンと伸びる!―いますぐ親ができる家庭学習27のメソッド 陰山メソッド生活ノート―基本的な生活習慣を2か月でしっかり身につけよう! (教育技術MOOK)
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